川西町議会議員芝 かずや

議会報告

取り調べの全過程の可視化と検察手持ち証拠の全面開示を求める意見書 '14年6月議会

ー態度表明ー賛成


取調べの全過程の可視化と

検察手持ち証拠の全面開示を求める意見書

 

裁判員制度がスタートして六年目に入りました。同制度は重罪事件の判決に一般市民が加わりますので、その審理には、より事件の全容が法と証拠に照らして詳らかになっている事が大前提で有りまして、これは、今後の裁判に置いて、えん罪を生み出さない為にも決して欠く事の出来ない問題として、厳しく提起されているところであります。

さて、このえん罪事件については、残念ながら今日に至るも後を絶っておりません。近年では足利事件や布川事件などが相次いで無罪が確定していますし、今年に入ってからでは、袴田事件が無実の再審が認められ48年ぶりに拘束が解かれ自由の身になっています。

これらの背景には、現在、我が国では取調室で何があったのかを検証する方法がないまま、取調官が作った「自白調書」が裁判では重要な証拠として扱われており、これが、多くの冤罪を生み出す要因として働いている事は、国連自由権規約委員会から、自白が強要により積み上げられている可能性を排除する為に、取り調べが厳格に管理され、電気的に記録されるよう勧告を受けている事からも明らかであります。

 他にも、厚生労働省元局長事件では、大阪地検特捜部が関係者にウソの供述を強要した違法捜査が明らかとなり、さらに証拠資料の改ざんが発覚し、当該検察官の処罰が行われました。こうした冤罪の発生を繰り返さないためにも、取調べの全面可視化はまったなしの緊急課題であります。

 こうした状況を反映し、関係行政庁では取調べの一部録画等、取調べの適正化に向けた一定の対策は執られていますが、一部可視化では、冤罪のリスクは拭い切れておりません。

 同時にもう一つ、冤罪を生まない為の重要な要因は、検察の持っている全ての証拠開示が絶対に必要で有ると言う問題です。それは、2011年5月24日に43年ぶりに無罪判決が確定した布川事件や、201211月7日に15年ぶりに無罪が確定した東電OL殺人事件のように、検察が被告人の無罪を立証する証拠の数々を保有していたにもかかわらず、それらを示さず裁判を進めた結果当該判決を誤らせ、冤罪を生み、事件の真相究明を長引かせた事が一連の要因として挙げられるからで有ります。この事からも大きな教訓として今後に活かす事は極めて重要であります。

よって、国におかれましては、録音・録画による取調べの全過程の可視化と検察手持ち証拠の全面開示を内容とする刑事訴訟法の改正を早急に取り組まれるよう強く要望致します。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 

 平成26年6月13

                             奈良県磯城郡川西町議会

送付先

衆議院議長  伊吹文明殿
参議員議長  山崎正昭殿

内閣総理大臣 安倍晋三殿

法務大臣   谷垣禎一殿

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