活動報告
- 矛盾
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立秋も過ぎ、幾分、明け方の空気が涼しくなったかなと感じていますが、皆さんはどうですか。とは言うものの、日中は相変わらず厳しい暑さが続いていますし、天気予報では今年の残暑はかなり厳しいとの事ですから、くれぐれもご自愛くださいね。
さて、今月は、6日と9日には原爆の慰霊の日が、そして、15日には終戦記念日が巡ってきます。テレビでもこれらの記念式典が中継されますし、関連して平和に関する番組が放送されますから、普段に増して平和については考えさせられますよね。とりわけ、核兵器の廃絶については、唯一の被爆国の国民としても一日も早い全廃に誰もが異論のない事でしょう。…とは思いますが、はたして実際はどうなんでしょうか。
少なくとも日本政府はこの立場に無い事は明らかですね。と言いますのも、皆さんもご承知の通り6日と9日の広島・長崎の原爆犠牲者慰霊の平和祈念式典で、菅直人首相は「核兵器廃絶の先頭に立つ事を誓う」とは言わはりますが、一方で、核の傘は大切だとする核抑止の考えを持ち続けてはります。これは一方では「無くす」と言い、もう一方で「無くさへん」と、全く相反する事を言うてはるんですから。最大の矛盾です。この考えで行きますと、結局のところ、核兵器を無くして行こうと言う世論を喚起し、その先頭に立って頑張る事はできません。ですから、日本政府が最も大切な同盟国としている核保有国の一つのアメリカに対しても、肝心の核兵器の全廃については、日本側から物を言いだせないままです。掲げている立場からすれば当然の帰結ですよね。
やっぱり被爆国政府としては、そんな事を言うてんのと違って、非核三原則の遵守と核の傘からの離脱を宣言し、態度を名実ともに核兵器の廃絶に絞り込む事が、核を世の中から一掃する一番の力として、先頭に立てる訳ですし、そうなるよう事を前向きに進める事が肝心です。
そうしませんと、今は、全くその機運は有りませんが、このまま時が経過して行きまして、オバマさんも核兵器の廃絶を言い始めてはりますから、もしアメリカが核を無くす具体化に踏み出さはったら、その時、日本政府はどうするんでしょうか。まさか、「核兵器が無くなったら、日本の平和と安全は守れません。他国から侵略を受けて、領土を奪われ植民地となり大変な事態に見舞われてしまいます。頼みますから無くさんといて下さい。」とは、何ぼ何でも言わないでしょう。いや、今の方針を忠実に貫くねやったら、言うかもしれませんね。まぁ、こんな不確かな事はどうでもいいんですが。核兵器の廃絶に向けては、自らが動いてその道を切り開く以外には有りません。
そして、何よりも確かな事は、核廃絶をめぐるこの間の情勢の進展です。着実にその歩みを前へ進めている事は間違いありません。世界政治の上では核兵器禁止条約の締結もいよいよ始動しつつあるのが今日の状況です。本来ですと、秋葉忠利広島市長や田上富久長崎市長が平和宣言で政府に求めてはるように、核兵器禁止条約締結の先頭に日本政府が世界唯一の被爆国として立つ事が何よりも頼もしいですし、ふさわしい姿です。世界の誰もがその姿勢に称賛を贈る事でしょう。ところが、今も触れましたように、その被爆国の日本政府が核抑止の大切さを強調してはりますので、現実のこの姿勢、果たして世界からはどう受け止められているのでしょうか。
核保有国の指導者は、持ってるけども絶対に使う事の出来ない兵器が核兵器だとして、大きな矛盾を抱えてはるのが実態です。そしたら、その矛盾解消に向け背中を押してあげるのが、「核兵器廃絶の先頭に立つ」と原爆慰霊式典で宣言している世界で唯一の被爆国である日本政府の役割では有りませんか。こんな事は釈迦に説法でしょうが、核抑止の立場に立つと未来永劫持ち続けるしか道は有りませんし、国と国同士が友好を深めて行くという本来の関係も深める事はできません。常に疑念と疑惑を持ち続けながら付き合うと言う事ですから、ぎこちない関係を続けるしか道は有りません。背中を押す役割も担えません。
核兵器の一掃は、誰かが先頭を切らん事には事は始まりません。その先頭に立つのは、やはり唯一の被爆国である日本で有る事が説得力としてはこの上ない事間違いありません。わが国がその姿勢に立つ事を、世界中の誰もが求めている事でありましょう。さぁ、皆さん。核兵器廃絶の先頭に立つ日本政府を樹立する事は、全人類が我々日本国民に課している任務です。人類の共存に全く必要のない核兵器の一掃に向け、その一点で大同団結して世論を喚起し、一日も早く非核の政府を築き上げましょう。
ぜひ、ご意見・ご感想をお聞かせ下さい。
川西町議会議員
芝 和也