活動報告
- 有りのまま
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今年の八月は、四年に一度のオリンピックが開かれていますから、スポーツ観戦が好きな皆さんには、特に楽しみな夏になる事でしょうし、あれやこれやと忙しい夏休みが、盛りだくさんの計画で大忙しになることでしょうね。「記録は破られるためにある」と言う言葉がありますが、連日熱戦が展開されている北京オリンピックでも、その言葉通りに確実に記録が更新されています。特に水泳競技は水着の影響が有るのかもわかりませんが、世界記録も日本記録も新記録の続出です。ひょっとしたら同じ事が、ほかの国でもそれぞれの国内記録が更新されているかも分かりませんね。
努力の積み重ねと無心に取り組むその姿が、結果をたたきだす。なかなか凡人ではまねる事はできませんが、能力の限界を求め、それに挑む姿はいつ見ても見ている者に大きな感動を与えてくれますね。その姿勢は何事においても共通するものだと思いますし、感動を覚えるその姿勢には大いに学ばねばなりませんね。求めるものではないと思いますが、結果、人々に夢や希望、感動を与えることができる人間になりたいものです。
さて、毎年訪れる八月ですが。六日と九日には広島と長崎で原爆慰霊祭が、そして、十五日の終戦記念日には戦没者慰霊祭が催されます。それぞれの模様はテレビや新聞を通じて大きく報道されますから、われわれ日本人にとっては一年を通じて一番平和について思いを巡らせる時期になりますね。そして、ちょうど時期を同じくして、お盆の行事が重なりますから、戦争で身内を無くされた皆さんも決して少なくは無いでしょうから、よけいに平和の尊さを実感することと思います。
今を遡ること六十数年前の当時を知るみなさんは、身にしみて実感されていることと思います。私のように体験していない者にとっては、記録された写真や証言、体験談を通して想像するすしかありませんが、現在の日本の社会状況が決して安泰とは言いませんが、少なくとも戦争の下に置かれていないと言う事は、幸せだなと思います。幾百千万の尊い犠牲のもとに築かれた今日の平和な状態は、何があっても絶対に守らねばと痛感します。
国民の暮らしは、政治で大きく左右されます。その左右する政治をつくるのは国民の意思ですし、国民の意思で左右することができるのが今日の政治の中身です。ここが戦前とは根本的で、決定的に違う点ですから、国民の意思で左右できる政治は国民のために機能する中身にしてこそ、この制度的保障が活かされるものと確信しています。平和な社会をつくり、みんなの役に立つルールを築く政治。これを主権者の総意で確立していくためにも、戦後、国民が手にした民主主義をいつまでも大切にして行きましょう。平和を巡る今年の報道で気になった報道がありました。それは、戦後生まれが人口全体の七割を超えて戦争体験者が少なくなる中、戦争を抽象的にしかとらえなくなり、判断も短絡的になりがちとの学者の話を紹介していた報道です。はたしてそうでしょうか。実体験がないから、戦争を抽象的にとらえて、物の判断を短絡的にすると言うのは、それこそ短絡的な考えに思います。全国各地にある戦跡を巡っても、広島や長崎の原爆資料館を巡っても、それぞれに感じるものはありますし、見た者に強烈な衝撃を与え、深く慎重に考えを巡らせます。これが、実際の姿だと思いますが、皆さんはどう思わはりますか。
私はこれまで、青年運動や、現行憲法の平和条項である九条をまもる運動などを通じて、こうした一連の場所を訪れる機会も幾度となく有りましたが、そこに参加されている皆さんは老若男女を問わず、こんな惨禍をもたらす戦争は絶対に起こしてはならないと、それぞれ固く心に刻んでおられるのが実際でした。大切なことは事実を有りのまま伝えることですし、それを教訓に同じ轍を踏まないことだと思います。時間は確実に経過しますから物理的な風化は仕方ありませんが、事実は、決して一部分だけ見たり、隠したり、捻じ曲げてはなりません。全てを有りのままに見て、有りのままを伝えて行くことが大切です。
ぜひ、ご意見・ご感想をお聞かせ下さい。
町会議員 芝 和也