川西町議会議員芝 かずや

議会報告

EPA・FTA推進路線の見直しを求め、日米FTAの推進に反対する意見書 '10年3月議会

態度表明ー賛成ー (提案賛同者)



EPA
FTA推進路線の見直しを求め、日米FTAの推進に反対する意見書

 


 FAO(国連食糧農業機構)は先般、飢餓人口が10億人を突破したことを公表し、「金融危機が途上国を含む多くの農業に悪影響を及ぼし、食糧危機は、今後ますますふかまる恐れがある」とする警告しています。農水省も、「世界の食料は、穀物等の在庫水準が低く需要がひっ迫した状態が継続する。食料価格は2006年以前に比べて高い水準で、かつ、上昇傾向で推移する」と分析制しています。(2008年における食料需給見通し」09.1.16)

 現に、1昨年の大暴騰以降、一時、下落傾向にあった穀物の国際相場が再高騰の流れにあり、世界の食料需要は依然としてひっ迫した状況にあります。

 こうしたなかで明らかなのは、これまでの輸入自由化万能論の立場では、深刻な世界の食料問題は解決できず、それぞれの国が主要食糧の増産をはかり、食糧自給を向上させる以外に打開できないということです。

 こういう事態は、農産物貿易の全面自由化と生産刺激的な農業補助金の削減・廃止を世界の農業に押し付けたWTO農業協定路線の見直しを強く求めています。また、WTO路線を前提にした2国間・地域間の協定であるEPAFTA路線も同様に見直さなければなりません。

 前政権は、2010年に向けたEPA工程表を打ち出し、既にメキシコ、タイ、フィリピンなどとの協定を発効させ、オーストラリア等との交渉を行ってきました。また、現政権の民主党は、日米FTA交渉の促進を総選挙のマニフェストで打ち出しています。

 日豪、日米のEPAFTAは、日本農業に壊滅的打撃をもたらすことは明らかであり、到底、容認できません。特に日米FTAについて民主党は、主要農産物を「除外する」といいますが、相手国のねらいは農産物の関税を撤廃することで有り、一旦、交渉が始まったら取り返しのつかない事態を招く事が懸念されます。今年は65日札幌で開催されるAPEC閣僚会議を皮切りに同農相会議(10月新潟)、同首脳会議(11月横浜)なども予定されており、アジア地域における輸入自由化の動きも予断を許さない状態です。

 今、求められる事は、食糧を外国に依存する政策と決別し、政界の深刻な食糧需給に正面から向き合い、40%程度にすぎない食料自給率を向上させる方向に大きく踏み出すことと考えています。

1、これまでのEPAFTA推進路線を見直すとともに、アメリカとのFTA交渉を行わない事

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出いたします。


平成22312

奈良県磯城郡川西町議会

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