議会報告
- 平成22年川西町9月議会厚生委員会 2010年9月13日
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取り上げた問題
(1)繰り出し金の使い方について
(2)高齢者の所在確認について
(3)熱中症対策について
(4)福祉医療の拡充について
(5)子宮けい癌ワクチン接種助成について
(6)高齢者世帯のゴミ出し対策について
(7)国保の改善について
(8)後期高齢者医療制度の実情について
(9)旧唐院小学校跡地利用について
(1)繰り出し金の使い方について
問い
現在、一般会計から特別会計等への繰り出しは、基準に基づくもののみだが、低所得者対策など、政策意図をもった使い方についての判断はどう考える。
答え(福祉部長)
基準に基づく以外は、町の都合では人件費のみである。特別会計への繰り出しについては、慎重にするべきと判断している。
問い
町長の所見を伺う。
答え(町長)
国保は加入者で運営しているので、その中で頑張ってもらう事が大切であり、公平だ。よって、国保の対象者で負担頂く事が基本だ。
問い
負担の公平性を言うが、たとえば水道などは全住民が利用している。国保は皆保険制度の要であるから、当然全体で支える制度だ。原資として政策判断が有ってしかるべきでは。
答え(町長)
一旦、一般財源を入れると収拾が難しい。やはり、国保でも水道にしてもそれぞれ独立の会計で運営している。負担の公平性に鑑みて、基本は各々の会計で運営して参りたい。
(2)高齢者の所在確認について
問い
社会問題化した、高齢者の所在の有無については、どう対処した。
答え(健康福祉課長)
本町の長寿ベスト10は全て確認できた。ただ、厚労省の方は所在確認できたが、法務省の関係では戸籍だけを残している方が全部で19件存在する。
問い
住民票との不一致無し、了解した。この機会に、日常的に所在確認できる仕組みが必要ではないか。
答え(健康福祉課長)
調査権限が無いので難しい。国勢調査が一番の制度になると思う。権限の拡大など改定が必要だ。
問い
町の規模からして、住民との距離は近い。日常的に把握する事は十分可能では。
答え(健康福祉課長)
実質的には、実態調査などは、民生委員さんに依拠しており、日ごろから目配せをしてもらっている。
問い
阪神・淡路大震災の時の教訓として、たとえば北淡町(当時)等では、各戸の人員を日ごろから隣近所はもちろん、役場でも把握していた事から、倒壊家屋からの救出がピンポイントで行えた事があげられる。これを活かすべきでは無いか。
答え(健康福祉課長)
防災の観点では、自治会で既に動いてもらっており、また、介護認定を通じても有る程度の掌握が可能であるので、一定はできているものと認識している。
(3)熱中症対策について
問い
手だてについて伺う
答え(健康福祉課長)
1人暮らしの方へは、民生委員を通じて。介護認定者には、ぬくもりの里や役場から、水分補給などを記した暑さ対策のリーフを配布した。
問い
自治会に協力を願い、地域集会所等にクラーを入れてもらって解放しては。
答え(町長)
最近では、ほとんどの家にクラーは設置されているので、その必要は無い物と思う。
問い
そうやって出て来る事が、多方面にプラスに働くのでは。
答え(健康福祉課長)
実際、リーフの配布で訪問しても、クラーをかけてはる家が少なく。自分で判断されている。各自でのクラーの利用を進めたい。
(4)福祉医療の拡充について
問い
所得制限を外し、入院限定で、小学生までの対象年齢を引き上げたが、成果の程は。
答え(保険年金課長)
新たな受診件数は120件程度で、費用については60万円。入院は1件の利用で6万円であった。これを通年に換算すると概ね200万程度の費用になる。
問い
対象が広がっての結果で、喜ばれている。入院で6万円だが、通院の資産は試みているのか。
答え(保険年金課長)
国保加入者でしかデータは無いが、約200万程度必要になる。
問い
費用のかかる入院に補助との事だが、頻度の高い通院に広げる考えは無いか。
答え(理事)
こう言った、外来負担の無料化については、事を慎重に進めて参りたい。
問い
無料と言うが、福祉医療の一部負担金は外してないではないか。一連の経過は、子育支援の観点で適応し、それを福祉医療全体に発展させての事ではないのか。町長の判断は。
答え(町長)
子育て支援は大事な取り組みと位置付けているので、状況を見守りたい。
問い
これまでも指摘しているように入院の補助は、義務教育終了までに広げても、予算措置はほとんど変わらないものと判断する。式下中学における三宅町との兼ね合いはどうつける。
答え(町長)
町としては、義務教育終了に引き上げても良いので、これについては、できるだけそうなるように、三宅町と協議を進めたい。
(5)子宮けい癌ワクチン接種助成について
問い
検診の年齢引き下げ等、向上に向けた策を何か巡らせているのか。
答え(福祉部長)
現在は、従前のとおりである。
問い
この問題で私が求めているのは、ワクチン接種の補助であるが、それに対して、まずは検診の向上に努めるとしているのが、町長のこれまでの答弁だ。だから聞いている。
答え(町長)
検診については、現在20歳から実施している。いわゆる感染は性行動が有ってのちになるので、果たして、年齢の引き下げが効果を招くかどうかは微妙ではないかと思っている。
問い
新年度から、ワクチン接種に関して国庫補助が始まりそうだが、町としては、補助の具体化は無いのか。
答え(福祉部長)
現時点では、具体化は無いが、国が踏み切れば対応は考えたい。
問い
国会の議論でも早晩予算化はされるだろうから、待つことなく、まずは手を打つべきでは。
答え(町長)
こう言った事は、国の仕事として対応する事が本来の姿と思っている。国の方で予防接種として決めってもらいたい。国・県の動向を見て対応して参りたい。
(6)高齢者世帯のゴミ出し対策について
問い
指定場所までゴミ出しのできない世帯への対策は。
答え(住民生活課長)
特に手だてはしていないが、そうした声も、まだ上がって来ていない。
問い
そら、役場に届いて無いだけで、実態はあるし、近所が援助しているのが実際の状況だ。把握し訪問活動等対策を講じよ。
答え(住民生活課長)
直接の声は無いが、実態としては、近所で対応頂いていると聞き及んでいる。
答え(健康福祉課長)
そのケースは、介護保険の利用でカバーは可能である。
問い
介護保険とはな…。行政の対応としての町長の判断は。
答え(町長)
実態は、近所で援助頂いているようだが、現在の制度上は介護保険になるようなので、これから、どのくらいの傾向になって行くか状況を見て参りたい。
(7)国保の改善について
問い
収支状況をどのように分析している。
答え(保険年金課長)
19年までは赤字が続いたが、20年からは黒字に転じ、21年も前年度の繰り越しの清算を終えれば2千万程度の黒字と見ている。黒字への転換は、20年からの後期高齢者医療制度が影響しているものと考えられる。25年に後期が終わるとどうなるのか不透明だが、それまではこの傾向で推移する者と見ている。
問い
医療制度の影響から黒字に転換との事だが、会計の圧迫は、支払いに占める医療費の大きさで決まってくる。ここを膨らまさない策は、健康づくりだが、その対策は。
答え(保険年金課長)
メタボ対策の特定検診でカバーしたい。検診を促し、その後の保険師による追っかけに力を注ぎたい。当座、検診受診率を50%まで引き上げたい。
問い
元々取り組んでいた脳ドックや人間ドック、基本健診など廃止している。これらの復活は考えてないのか。
答え(保険年金課長)
今のところ、特定検診に力を注ぎたい。
問い
保険料の滞納者だが、その原因をどう分析している
答え(保険年金課長)
安定して収納が見込まれた層が、後期高齢者医療に移行した事と、非正規雇用の被保険者の加入が膨らんできており、保険料の分納措置をとっている事から、年度を超える状況が生まれており、それらが、滞納増大の原因になっている。
問い
これまでも議論しているように、国保は、収入に占める保険料が他の保険よりも高い事が一つの特徴だ。本町の賦課基準で、月額10万円の収入を得ている被保険者の保健料試算は62,000円になる。これ12分割では5000円強だが、これがなかなか負いきれずに滞納になっているのが実態だ。だとすれば、この賦課基準が果たして妥当かどうかを見極める必要があるのではないか。
答え(町長)
保険は、加入者の保険料で成り立つ物と考えている。今日の経済事情から猶予策は執っているが、それが精いっぱいだ。
(8)後期高齢者医療制度の実情について
問い
天引きと個別納付の割合は。
答え(健康福祉課長)
天引きが62%、個別が38%。
問い
ここで言う滞納は、天引き以外でしか起こらない。それは、年間18万円以下の年金受給者がその対象だ。そもそも、賦課しても支払い応力が有るのか。
答え(健康福祉課長)
保険料にすると年額3,900円になるが、これが入ってこないと言う事です。一部には、保険料が高いからではなく、制度に反対しているから払わないとしているようだ。
問い
そうした人は、元は扶養されていた対象がほとんだ。それは、支払い能力以前の問題として、扶養義務者がみるべきだからである。だから、この制度は、滞納が有っても資格証の発行は控えるように通達が出されている。国保以上に手を尽くすべきだ。
答え(町長)
まずは、状況把握が大切だ。実態を調査する。
(9)旧唐院小学校跡地利用について
問い
利用の方途は、工場用地を視野に入れた方向性を出しているが、少子化対策として、低家賃住宅を用意して、子育て世代を対象にして利用しやすい環境の提供は範疇に無いのか。
答え(町長)
そう言った方向は出てこなかった。住宅では、駅からの便なども問われる事になるし、一旦居住してもらうと、ず~っとそのまま暮らす事態になって有効活用が難しい。
問い
結崎周辺では、民間のハイツ等が低家賃対策では無いが、結構回転率が良いようだ。結果、小学校の児童においても唐院との児童減少率の違いが出た。利便についても、近隣の状況を見ても特に劣っているわけでも無い。ぜひ、視野に入れて跡地の有効活用に活かされたい。
答え(町長)
立地条件や地の利は何が良いかは見極めの難しいところだ。これまでのところ、検討する中では住宅については案としては湧かなかった。
ぜひ、ご意見・ご感想をお聞かせ下さい。
川西町議会議員
芝 和也