川西町議会議員芝 かずや

議会報告

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加反対を求める意見書 '10年12月議会

態度表明ー賛成ー (意見書提出者)


TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)への参加反対を求める意見書

 



 政府におかれましては、既に環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、関係諸国との協議を開始する方針を閣議決定され、TPPへの参加を進まれておられますが、ご承知の通りTPPは、関税を原則撤廃し、農産物の輸入完全自由化を進めるものですから、日本農業と地域経済に深刻な打撃をあたえる事は自明であります。

 農業分野の関税を完全に撤廃すれば、日本の食料自給率は14%に、コメの自給率では1割以下への低下が懸念され、食の安全と安定的な食料供給や自給を求める国民、消費者の願いに大きく背を向ける事に他なりません。

 また、世界の農産物平均関税率は農産物輸出国であっても、EU20%、アルゼンチン33%、ブラジル35%などと高く、アメリカも乳製品や砂糖の輸入規制を敷いています。我が国は平均で12%ですから、農業について「鎖国」どころか「世界で最も開かれた国」の一つになっている事は周知の事実で有ります。これ以上の農産物輸入依存強化は、豊かな潜在力をもっている日本農業を無理やりつぶす方向に導く事と言わざるを得ません。

 さらに被害は、農業と食料の問題にとどまりません。経済産業省は、TPPに参加しない場合の雇用減を81万人と試算。農水省は、参加した場合の雇用減を、農業やその関連産業などを合わせて340万人と、不参加の4倍以上にもなるとしています。また、北海道庁では、道経済が2・1兆円にのぼる損失を被るとしていますが、その7割は農業以外の関連産業と地域経済だとしています。このように、TPPへの参加は日本農業を破壊するだけでなく、疲弊している我が国地域経済の破壊を一層推し進め、雇用破壊の歯止めには役立ちません。

 一方で日本経団連などは、「乗り遅れるな」などと煽(あお)り立てていますが、この「恩恵」を受けるのは自動車、電機などの一部の輸出大企業だけで有って、このために日本農業全体を破壊し、国民生活全般に多大な犠牲を負わせる事は断じて認められません。

 自国の食料のあり方は、その国で決めるという「食料主権」の問題であり、絶対に外してはなりません。関税など国境措置の維持強化、価格保障などの農業政策を自主的に決定する権利を保障する貿易ルールこそが、国際社会に求められている今日的問題と心得ます。

 よって、政府におかれましては、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)への参加はもとより、協議にも加わらないことを要望致します。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

 

  平成221210

 奈良県磯城郡川西町議会

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